それからえんぴつ

ただわらってた

あはは。えへへ。にこにこ。

 えがおが あふれてた。
みんなみんな わらってた。

 でも ひとりだけ、わらってなかったんだ。
にこにこしてるように みえたけど、わらってなかったんだ。

 だからぼくは、いったんだ。

「どうしたの? いっしょに、あそぼ?」

 そうしたら きみは、にこにこをけして、いったの。

「・・・いいの?」

 もちろん、ってこたえたら、きみは ほんとうに わらったんだよ。


 えがおが あふれてた。
みんなみんな わらってた。

 すごくたのしそうだとおもった。
みんなのえがおが すきだったんだ。
みているだけで、たのしかったんだ。

 そうしていたら、いっしょにあそぼっていってくれたの。
みているだけより、いっしょに わらっていたほうが たのしいことに、そのときやっときづいたんだ。


 えがおが あふれてた。
みんなみんな わらってた。

あはは。えへへ。にこにこ。

 みんなみんな、ただわらってた。

2007年6月17日 野津希美

あとがき

わらうってことのむずかしさをじっかんしてます。