それからえんぴつ

再見

「再見」

そういって、離れ離れになったのはいつだったか。
日和は展望台の柵にもたれかかり、街を見渡す。

「きれいだね」

ここから一緒に夜景を見た。
点々と光る電灯は、星が落ちてきたかと見まごうほど、美しかった。
しかし、所詮、人工的な美しさ。
簡単に失われてしまう。

天災。
Xデーと呼ばれていた日がついに来た。
地は割れ、空には火が昇っていく。
火と火が混ざり、さらに強く燃える。
人を飲み込んでなお、燃え続ける。

消火された跡は、美しいとは到底言えぬ光景が広がる。
展望台も崩れ去っていた。

「伊織?」

「日和!」

ああ、何故にして、このような場で再び会ってしまったのでしょう。
引き裂かれてしまっても、きっと再会できると信じていたけれど。
何故、今なのでしょう。

この、我が国の都と思えぬほど、崩れ、燃え、ぼろぼろになったこの地で。
再び、彼を見ることが出来ました。

2007年1月31日 野津希美

あとがき

再見 って言葉が好きです。。